Prokofiev: Sonata No.7 [ピアノ曲]
一曲クラッシックの曲を選んでほしいと、お題をいただいた。
そのお題が、「闇,とか,暗黒とか,淵の底とか」。
それはそれはたくさんの曲が頭の中を駆け巡ったのだけれど、最終的に勝利したのは。
私の頭の中で、美しい魔王様が、うっすらと笑みを浮かべたのだ。
微笑、というにはあまりにも酷薄で、底知れない感じのする微笑だった。
で、そのイメージの元になったのが、プロコフィエフ作ピアノソナタ第7番、である。
クラッシックにはあまり馴染みのない人たちに聴かせるには、ちょっと刺戟が強すぎるかな、
と思わないでもなかったのだけれど、そこはお題がお題だから仕方がない。
と割り切って、少々ドキドキしながら持ち込んだ1曲だったけれど。
結果としては、逆に「これがクラッシック?!」という新鮮な驚きを与えられたようだ。
今回持って行ったのは、若きアレクサンダー・ガヴリリュクの演奏。
時間の関係で第2楽章は割愛したのだけれど、スピード感のある演奏は、
高性能の再生機器のおかげもあって、私も驚くほどの迫力だった。
第1楽章。不気味な旋律と緊張をはらんだ和音で幕を開ける。
とてつもなく強固な意志を感じさせる冒頭、しかしそれは不安と戦慄をもたらすもので。
断固とした不協和音のリズムが、その慄きを助長する。
この楽章、いやこの曲では終始、人智を超えたような不可思議で不気味な和声が続く。
穏やかな部分に入っても、その不気味さは続き、むしろ穏やかなだけに余計に背筋が
ぞくっとするような緊張感がある。
しかし、現代音楽との最大の違いは、それがギリギリの緊張感をはらみつつも、
どこか美しい、ぞっとしつつも感歎せざるを得ないような蠱惑感にあると思う。
どうしようもなく、魅せられてしまうのだ。身を滅ぼす元だとわかっていても。
第2楽章。「魔王様のティータイム」。穏やかなメロディ。けれど第1楽章の印象が
強すぎて、いったい今度は何を企んでいらっしゃるのやら、という感じが否めない。
静かな中に孕んでいる、違和感の種。中間部の高揚感の中にも、どこかとても冷たい
ものがあって、断定的な低音が、威圧的な響きを伴って迫ってくる。
第3楽章。この曲のハイライト。3分ほどの短い中に、非常にキレのある興奮と戦慄が
ぎっしりと詰まっているような楽章。
アルヘリッチ姐さんの完全にイッちゃってる第3楽章。モノスゴイ速さとテンション。
ここまでくるともう笑うしかない感じ。
http://www.youtube.com/watch?v=erLLwj8jP3Y
そのお題が、「闇,とか,暗黒とか,淵の底とか」。
それはそれはたくさんの曲が頭の中を駆け巡ったのだけれど、最終的に勝利したのは。
私の頭の中で、美しい魔王様が、うっすらと笑みを浮かべたのだ。
微笑、というにはあまりにも酷薄で、底知れない感じのする微笑だった。
で、そのイメージの元になったのが、プロコフィエフ作ピアノソナタ第7番、である。
クラッシックにはあまり馴染みのない人たちに聴かせるには、ちょっと刺戟が強すぎるかな、
と思わないでもなかったのだけれど、そこはお題がお題だから仕方がない。
と割り切って、少々ドキドキしながら持ち込んだ1曲だったけれど。
結果としては、逆に「これがクラッシック?!」という新鮮な驚きを与えられたようだ。
今回持って行ったのは、若きアレクサンダー・ガヴリリュクの演奏。
時間の関係で第2楽章は割愛したのだけれど、スピード感のある演奏は、
高性能の再生機器のおかげもあって、私も驚くほどの迫力だった。
第1楽章。不気味な旋律と緊張をはらんだ和音で幕を開ける。
とてつもなく強固な意志を感じさせる冒頭、しかしそれは不安と戦慄をもたらすもので。
断固とした不協和音のリズムが、その慄きを助長する。
この楽章、いやこの曲では終始、人智を超えたような不可思議で不気味な和声が続く。
穏やかな部分に入っても、その不気味さは続き、むしろ穏やかなだけに余計に背筋が
ぞくっとするような緊張感がある。
しかし、現代音楽との最大の違いは、それがギリギリの緊張感をはらみつつも、
どこか美しい、ぞっとしつつも感歎せざるを得ないような蠱惑感にあると思う。
どうしようもなく、魅せられてしまうのだ。身を滅ぼす元だとわかっていても。
第2楽章。「魔王様のティータイム」。穏やかなメロディ。けれど第1楽章の印象が
強すぎて、いったい今度は何を企んでいらっしゃるのやら、という感じが否めない。
静かな中に孕んでいる、違和感の種。中間部の高揚感の中にも、どこかとても冷たい
ものがあって、断定的な低音が、威圧的な響きを伴って迫ってくる。
第3楽章。この曲のハイライト。3分ほどの短い中に、非常にキレのある興奮と戦慄が
ぎっしりと詰まっているような楽章。
アルヘリッチ姐さんの完全にイッちゃってる第3楽章。モノスゴイ速さとテンション。
ここまでくるともう笑うしかない感じ。
http://www.youtube.com/watch?v=erLLwj8jP3Y
2010-06-27 00:07
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