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IMA&OEKジョイントコンサート [コンサート]

2011年8月23日(火)19:00~ @石川県立音楽堂邦楽ホール

P.de Sarasate: ヴァイオリン二重奏曲「ナヴァーラ」Op.33
  神尾真由子(Vn.I)  ホァン・モンラ(Vn.II)
W.A.Mozart: クラリネット五重奏曲イ長調 K.581
  遠藤文江(Cl.)  クシシトフ・ヴェグジン(Vn.I)  ナンユン・キム(Vn.II)
  丸山萌音揮(Va.)  ソンジュン・キム(Vc.)
  *  *
A.L.Dvořák: 弦楽五重奏曲第2番ト長調 Op.77
  レジス・パスキエ(Vn.I)  神尾真由子(Vn.II)
  原田幸一郎(Va.)  毛利伯郎(Vc.)  文屋充徳(Cb.) 


ちょっとひさしぶりのコンサート。
OEKの室内楽シリーズ「もっとカンタービレ」は、いつもは交流ホールで、主にOEKの
団員さんたちがゲストと共に気軽にトークをはさみながら室内楽を演奏するのだけれど、
今回は特別編、いしかわミュージックアカデミー(IMA)の講師陣の、文字通り錚々たる
メンバーと楽器とのコラボレーション。
去年は交流ホールにあふれるほどのお客さんが押しかけて、今年は少し大きな邦楽
ホールでの開催となったにもかかわらず、それでもほぼ満席の入りでした。

まずは神尾さんと、IMA卒業生で現講師であるモンラさんのヴァイオリンデュオ。
明るく華やかな、まさに真夏の地中海の陽光のような曲想の、はじけるような曲である。
息はピッタリ、とても気持ちいい演奏なんだけど、やっぱりモンラさんはちょっと迫力負け。
音の大きさとかテクニックとかの問題じゃなくて、音ひとつひとつのエネルギーが桁違い。
はじける音の勢いというか、ポテンシャルというか、神尾さんの音はやっぱり凄かった…。

次のクラリネット五重奏曲は、ヴァイオリンのお二人が講師陣、あとの三人がOEKメンバー。
クラリネットは当時のバセットクラリネット(現在のものより3度低い音まで出る)というのを
使用して、オリジナルの楽譜どおりの演奏だった。
この楽器は一度は消えてしまったのだそうだが、最近また復刻されたとか。
さて、演奏なんだけど、リーダーがソリストなのはちょっと大変そう…
たとえば、メロディの始めをちょっとタメ気味に入ったら、そのテンポで他の人は合わせて
しまうのだ。たぶん、全員が入るところではもう少し早くなるはずなのに。
そのせいか、ちょっと全体のテンポがもたついて聴こえてしまった。
ヴェグジンさんはもう少しいろいろテンポを揺らしたり溜めたりしたそうな感じだったんだけど、
どうもそれが上手くいかないような、勝手にやっちゃってずれてしまうような、
そんな印象を受けた。

休憩をはさんで、ドヴォルザーク。待ってました!
全員がソリストとして一流の人たち。喰うか喰われるか、手に汗握るアンサンブルなんて、
滅多に聴けるもんじゃありません。
曲がまた、どの楽器もが主役を張ってる、素晴らしいものなのだ。
テンポの揺らし方にしても、表情にしても、5人の緊迫した駆け引きがもうたまらない!
誰かが速くしようと思ってもすかさずそれを引き戻したり、それを振り切ろうとしたり、
ぜったいに曲を壊すまでにはならない、誰ひとりとして引かないんだけど、
でも突出することもない、その絶妙なバランスと自己主張と。
そして楽章のラスト、走り出そうとする意見が一致した時の、その疾走感!
野生の獣が、喧嘩をしているのかじゃれあっているのか、微笑ましいような恐ろしいような、
とっても肉食系の(笑)、自由でエネルギッシュな、素晴らしい演奏だった。

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